動画配信はじめました・第2回 ~オンデマンド配信のコツ~

三菱総研DCSで広報を担当している桐生です。
動画配信についての2回目、今回は「オンデマンド配信」について書きます。

    目次
  1. 配信の「種類」のおさらい
  2. 撮り直しができるオンデマンド配信は気楽?
  3. オンデマンド配信動画を収録する場合のコツ
  4. 編集作業について
  5. まとめ

配信の「種類」のおさらい

前回しっかり書いていませんでしたので、動画配信の種類について改めて説明します。

  1. ライブ配信
  2. オンデマンド配信
  3. 疑似ライブ配信


「ライブ配信」はセミナーなど、開催日時を事前に告知して視聴者を募集し、リアルタイムで中継するものです。そのタイミングでしか見られません。
一方、「オンデマンド配信」はいつでも見られるようになっている動画のことを指し、教育用コンテンツや製品説明・使用方法のマニュアルなどに用いられます。
「ライブ配信」を録画しておき、後からいつでも見られるように「オンデマンド配信」する場合も多いです。
どちらも一方向の情報発信ですが、「ライブ配信」ではチャット機能を使って視聴者からの質問を受け付けることで、双方向のやり取りができます。

「疑似ライブ配信」は最近になって増えてきたものです。
「ライブ配信」のように事前に開始時刻を告知しておき、時間になったら録画してある動画を配信します。「ライブ配信」の再放送として利用することもできます。
講師は不在でも、チャット機能による質問に回答できるようなスタッフがいれば、視聴者には「ライブ配信」と区別がつかない場合があります。

撮り直しができるオンデマンド配信は気楽?

最初に書くと、「オンデマンド配信」はシビアです。「ライブ配信」より難しいかもしれません。

「オンデマンド配信」は撮り直しができるので「ライブ配信」より気が楽だと思われる方もいらっしゃると思います。
確かに、「ライブ配信」では前回の記事で書いたような失敗が起って取り返しのつかない事態になる場合があるのに対し、撮り直しができる「オンデマンド配信」は失敗することがありません。
失敗したものは公開しなければ良いためです。

ただし、「オンデマンド配信」用に収録する動画の合格点は決して低くはありません。
「ライブ配信」では講師がセリフを噛んでしまったり、スタッフがワイプやテロップなどの画面操作を少し失敗しても、視聴者側ではそれほど気になりません。

これが「オンデマンド配信」では非常に目立ちます。
「撮り直せる」=「クオリティの高いものが出来上がっているはず」と、視聴者側でのハードルが自然と上がっているのです。

オンデマンド配信動画を収録する場合のコツ

では本題です。
短い期間ではありますが今までやってきた中で学んだことを書いてみます。

  1. ナレーション、画面操作、スイッチャー・ミキサーなどの機器操作は担当者を分ける
  2. 通しリハーサルを行う
  3. ナレーションの原稿は、一字一句書いたものを用意する
  4. ノイズを入れない
  5. 動画はできるだけ短く


当たり前なものばかりで、意外なものはないかもしれません。

1点目(担当者を分ける)は規模にもよりますが、担当を兼ねるのはあまりお勧めしません。
PC画面の操作を忘れたり、差し込んだワイプとメイン画面の説明文が重なっているのに気付かないなど、何かしらのミスがあって撮り直しするケースが多いです。
マイクが乗っている机の脚を蹴ってしまい「ボーン!」と大きな音が入っていることが編集時に分かり(マイクはこういった音を綺麗に拾うのですが、スイッチャー担当がヘッドホンで聞いていないとなかなか気付きにくいものです)再収録となったこともあります。

2点目(通しリハーサルを行う)は上記の通り複数名で挑むこともあり、リハーサルして初めて気付く改善点も多いです。

3点目(一字一句書いた原稿を用意する)は、たとえPowerPointのスライドを読み上げていくだけであっても用意が必要だと思っています。
スライドが切り替わる際に、「え~、では次のスライドです」といったセリフを入れることが多いかと思いますが、そのセリフさえも事前に書かれていた方がスムーズに話をすることができます。実は最終ページだけ「それでは最後に・・・」といったセリフに変えたかったものの気付かずに「次に」と言ってしまい撮り直したこともあります。

4点目(ノイズを入れない)は、「ライブ配信」と比べて「オンデマンド配信」で圧倒的に気にされてしまうポイントです。
レコーディング専用の防音室があるのが望ましいのですが、残念ながら当社にはないため会議室での収録が多いです。
その際は不要な音が入らないよう、①単一指向性のマイクを使う。②低音域をミキサーの機能でカットする。③アナログ音声ケーブルが電源アダプタなどの近くを通らないように配線する。④収録している会議室の、両隣りの会議室も予約して使われないようにしておく。⑤会議室エリアに出入りが発生しやすい毎時00分、30分近くは収録を止める。⑥エアコンを止める。といった事に気を付けています。
この他、マイク周りでは「は行」や「ぱ行」を発声するときの「吹かれ」を防止するポップガードや、周囲のノイズを防ぐリフレクションフィルターを使うと更に効果的です。
④以降は何ともアナログ的な話ですが、特に④は重要です。なお、⑥のエアコンですが②の機能を使っているとあまり変化はなく暑いだけでした。

5点目(できるだけ短く)は、「YouTubeに広告動画を載せるなら3分以内!」などと不特定多数の方に見てもらいたい動画については言われますが、教育系・マニュアル系の動画であっても長いと疲れます。15分を目安に動画を分けるようにしています。

編集作業について

収録が終わると編集作業に入ります。「ライブ配信」には無く、「オンデマンド配信」のみ必要となる作業です。

まだ編集についてはあまり詳しくないため、現状では最低限のことしか行えていないのが実情です。使用しているソフトウェアも決して高価なものではありません。
しかし一点だけお伝えしておくと、安価なソフトウェアでもフリーソフトとは非常に大きな機能差があります。ここの予算は何としても勝ち取りましょう。
(高価なソフトはもっと良いのですが)

まとめ

以上が、動画配信を始めて半年ほどで学んだことです。
色々と書きましたが、使ってみて初めて分かる機材のクセがあったりして、機材を追加購入するなど手探りの日々が続いています。レコーディング専用部屋も作ってほしいなあと思っていたりもします。
もちろん専門業者さんも多数ありますので、委託すれば快適な動画配信を行えるかと思いますが、内製化される方のご参考になれば幸いです。